こんにちは。前回のフキノトウは、雪の残る中、春の訪れを告げるフキノトウの話題でした。フキノトウのフレッシュな黄緑色の姿・食べた時のほろ苦さと、希望にあふれているように見えるけれどその内側で前進することに複雑な気持ちを抱いている中学生を重ねるのは、なるほどなと思いました。
あれからひと月、もう桜も満開を迎える季節になりました。
毎年のことながら、年度替わりの慌ただしいタイミングでもあります。先週ぐらいから、街中では引越屋さんのトラックを多く見かけるようになりました。新しい生活を始める人も多いことでしょう。
3月31日から4月1日へ。いつもと同じように一日が過ぎるだけなのですが、一つの区切りですね。今年は特に元号が変わる年でもあるので、あちこちで平成30年間をふり返る特集やイベントがあり、例年より大きな区切りのように感じます。
ところで、私は昔から月末になると少し焦りを感じることがありました。特に月末締めとかそういう事情はないのに、です。年度末は特に強くなります。月や年度が新しくなり、周囲がどんどん変化していくのに自分は変わらないということへの焦りかもしれません。しかも時間はきっちり一定のペースで容赦なく進んでいきます。
でも、実は見え方だけの違いかもしれません。少し長いスパン、例えば10年ぐらい前と、今と、10年後。きっと全く同じということは少ないと思います。あるいは、若い人はどんどん変わるように見えるし、年齢を重ねるごとに変化がなくなるように見えるのかもしれません。
今、満開の桜の樹もそう。若木は一年ごとに高くなり枝を増やし、ある程度大きくなったら剪定で形を整え、姿はあまり変わらなくなります。年輪は外側に向かうほど幅が狭くなり、幹も少しずつしか太くなりません。でも、樹というものはゆっくり成長し、年輪の間隔が狭い方が密度が高く丈夫なのだそうです。見た目の大きさだけでなく、樹齢によって質も変わっていくのですね。
今年は花だけでなく、この樹は樹齢何年ぐらいかな?ということも考えながらお花見したいと思います。
今回の担当は中村でした。
次回の担当は芳野です。お楽しみに。