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芳野

古道具


8月になって、毎日うだるような暑さが続いていますね。

昔の夏は、こんな暑さじゃなくて、子供の頃は平気で外を飛び回って遊んでいたように思います。

前回は「一新する」ということで、新しい掃除道具から取り巻く生活が変わっていくお話でしたが、今回は真逆の「古道具」のお話です。

私は時々、小説を読みます。好きな作家が何人かいて、新刊が文庫本になると買ってきて読んだり、少し時間があるときには話題になった本を手に取ることもあります。

そんな小説の中に、「大切に使われてきたものは100年経つと魂を持つようになる」という話があり、魂を持ったものたちがかわいらしい妖怪になって活躍するファンタジーなのですが、とても好きなのです。

持ち主が、その道具に助けられて生活を営み、手入れをし、色・形・飾りや模様などを気に入って、生活が彩られ、大切にして一緒に暮らしを豊かにすることが100年も続いたら、そりゃ魂も宿るでしょう・・・と私は思うのです。

だいぶ前になりますが、「リング」というホラー映画はご覧になりましたか?

テレビから這い出てくる貞子は、幽霊や怖いものの代名詞となるくらい有名ですよね。

私はホラーはあまり好きではないのですが、機会があって小説を読んでから映画を見ました。

映画ではなかなか表現することが難しかったのだと思うのですが、小説では人の強い想念、思いが丁寧に書かれ、それが残って怪奇現象として現れた、という内容だったと記憶しています。

読んだ当時、やはり「そういうことって、きっとあるに違いない」と好きではないホラーに感動したことを覚えています。

夏になると、テレビで怪談話を耳にすることも多くなりますね。恐ろしい怨念は嫌ですが、私が使っているものたちも、いつかかわいらしい妖怪になって活躍してくれたらいいのになぁなんて思うと、自然と愛着がわいて大切に使うようになった気がします。

暑い夏、お気を付けてお過ごしください。

今回は芳野の担当でした。

次回は中村です。

お楽しみに。


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