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芳野

コミュニケーション


台風一過。

被害など無く過ごされたでしょうか?

前回の「百聞は一見に如かず」を読んで、「あ、しまった」と思いました。 写真は、スリングヨガといって見たとおり大きくカラフルな布に包まれて行うヨガで、布がサポートしてくれるので普通のヨガよりも意外と楽に身体が伸ばせるのです。これは一度体験しただけで、普段はヨガマットの上で行うご想像通りのヨガをやっています。

私にとってはどちらもヨガで、あまり考えずに写真を載せたのですが、「言われてみれば、そう感じるよね」と思って、すぐに説明を書きたくなったのですが、思いとどまりました。

今、何のためにこのブログを書いているのか。。。

中村とお喋りをしているわけではなくて、お互いが刺激し合って感じたことを書いていき、そこから「時季カウンセリングオフィス」や私たち「カウンセラー」を知ってもらうためのものです。

そんなことから、「百聞は一見に如かず」で出てきた「コミュニケーション」について考えていた数日でした。

私には、若い頃、十数年通い続けたカウンセリングの師匠がいます。

先日、久しぶりに電話でお話することが出来ました。

師匠が昔、訪問カウンセリングをしていたときの思い出話をしてくれました。

引きこもりの男性の家に訪問したときのことでした。

ドアや窓にはバリケードがしてあって、家族は入ることが出来ません。食事をドアの外へ置いておくと、こっそりと中で食べて、食べ終わった食器がまた外に置いてあり、お風呂は家族が寝静まってから、トイレは誰も通らない隙を見計らって使う、というような生活だったそうです。

夏でエアコンもない暑い部屋だったそうです。

師匠はドアをノックして大きな声で「こんにちは!調子が良くないと聞いたので会いに来ました!入ります」といって入室しました。男性はタオルケットを頭からかぶって机の陰に隠れていたそうです。

そこで「ここは暑いね」などと少し話をして(返答はなかったようですが)、「また来週の同じ時間に来ます」といって退室しました。

2回目、約束通りの日時に訪問し入室すると、ほんの少しタオルケットから身体が見えるようになっていて、前回座って話した場所に座布団と扇風機が置いてあったそうです。師匠は「前回私が暑いねって言ったから気を遣わせちゃったね」と言ったそうです。そうして少しずつ二人のやりとり「コミュニケーション」が始まりました。

2,3ヶ月通って、あるきっかけを元に主治医の訪問に代わり、通院に繋がり、入院することなく回復して社会生活を送れるようになったのだそうです。

私は「すごいなぁ」と感動しました。

「ここは暑いね」と投げかけた言葉に、男性は座布団と扇風機で返してくれ、師匠は「私が言ったから・・・」と自分と男性のコミュニケーションを意識的に積み上げていきました。

こんな場合は普通だったら「ありがとう」というのだろうと思います。でも、「ありがとう」は感謝の気持ちが主です。「私が言ったから」と前回との関連を述べ、「気を遣わせた」と気遣いの出来る人だと理解したことを伝えることがこの場合は必要だったのだと思います。このやりとりから、この人は自分を理解してくれる人だという信頼を築くことができ、世界が広がって回復に繋がったのではないでしょうか。

理解してくれる人、分かってもらえることが出来たら、人は前に進めるものだと思います。

今回の担当は芳野でした。

次回は中村です。


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