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芳野

朧月夜


3月になりました。2月は逃げる、3月は去ると言いますが、いつもよりも慌ただしく、時が過ぎるのが速く感じる季節ですね。

前回の「早春賦」から10日ほどで日に日に暖かくなり、春の嵐と呼ぶにふさわしい強風が次の季節を連れてきました。

年度末ということもあって、季節だけでなく、人の流れも動きもいろいろと活発になります。

卒業や進学、進級、就職に退職、人事異動や転職、引越など、転機を迎える方もいるでしょうし、自分は変わらなくても周りに動きがあると、自然とその影響を受けますよね。趣味や習い事など、新しいことを始めたくなるのもこの季節。

私も、周囲から毎日のように「この春から変わること」を耳にして、刺激を受けています。嬉しいことも寂しいこともあります。でも、その気持ちがポジティブなものであれネガティブなものであれ、それとは別に、今日はいっぱいあれこれ考えて感じて疲れたなあと思うことがあります。

体を動かして運動すると疲れるのと同じように、いろんな転機に触れて気持ちが動くことで疲れる、という感じです。 

そんな時、「早春賦」に歌われている季節から少し先の「朧月夜」が心に沁みます。

菜の花畠に 入日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし 春風そよふく 空を見れば 夕月かかりて におい淡し

里わの火影も 森の色も 田中の小路を たどる人も 蛙のなくねも かねの音も さながら霞める 朧月夜 

春の夕暮れどきの霞がかった美しい情景を描いた歌詞は、何もかもをぼんやりと包み込んでくれるような気がしますし、一日の終わりという時間帯も、「もう休んでいいよ」と思えてほっとします。メロディも大好きです。きっと安心感をもたらす要素があるのだと思います。

いろいろなことが動き始める活動的な季節だからこそ、一日の終わりにゆっくり、ぐっすり休むことも大切にしたいですね。

こたつでぬくぬくから、春眠暁を覚えずの季節へ。休み重視、歌つながりの記事でした。

今回の担当は中村でした。

次回の担当は芳野です。

お楽しみに。


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