top of page
芳野

ため息

こんにちは。

すっかり秋も深まりましたね。

少し忙しかったのですが、色づく景色や秋の味覚を楽しむことが出来ました。


少し前になりますが、心に残った出来事があったので書こうと思っていました。

ある平日の午前中、私は仕事の前に銀行のATMに行きました。

いつも空いていて、そんなに待つことなく用を済ませられる所なのですが

その日はいろいろな都合が重なったのか、珍しく10人ほどが並んでしまいました。

私は仕事までまだ少し時間の余裕があったので、気持ちよく晴れた空を見上げたりしながらぼーっとして待ち時間を楽しむことにしました。

私の前には3,4人、後ろには5,6人の方が並んでいました。

すると、並んだ列の後ろの方から、「はぁーーー!」と大きな大きなため息が聞こえてきたのです。

誰にはばかることもなく、大きな大きなため息!

どんな人がそんなため息をついたのか、チラッと伺ってしまいたい気持ちさえも押しとどめてしまうような、そんな大きな堂々とした、ため息!

思わず、クスッと笑ってしまいました。

ため息をついたご本人には申し訳ないのですが、あまりにも大きく聞かれることをはばかる趣のない堂々とした様に感服してしまったのです。


ため息って、あんまりつくものじゃないとか人に聞こえるとよくないとか、そんなものですよね。

でも、なんというか、もう聞かれてもいいやと開き直るしかないほど、並んで順番を待たなければならない時間や手間が大きなストレスとなってしまったのでしょう。

たくさんの家事や仕事、子育てなどなどやらなければいけないことがこのあとも山積みなのに、どうしていつもは簡単に終わるATMの操作にこんなに待たされなければならないのだろう・・・。

そんな悲痛な心の叫びなのではないかなと、私の想像ですが。

私にも忙しいときはあって、思わず共感してしまうため息でした。


聞こえた人の中には不快感を持ってしまった人もいるかもしれません。

だから気をつけなければいけないのですが、たまにはこんなあきらめの境地を堂々と自分の外に吐き出すことも大切だなぁと感じた出来事でした。

大きなため息に何だか励ましをもらったような、私にとっては温かい出来事でした。


では、次回は年末に。




bottom of page