「暮れなずむ街の~」と鼻歌が出てきそうなタイトルですが、3月は卒業や別れのシーズンですね。
前回の中村が書いた「おだいじに」の頃は、新型コロナウィルス感染が拡大しつつある頃でしたが、今では更に感染が拡大し、不安やストレスが非常に高くなってきていると感じるようになりました。
皆さんは、体の調子と心のバランス共に大丈夫でしょうか?
そんな中、縮小は余儀なくされたものの、卒業式などは各学校で細心の注意を払って行われました。
私はスクールカウンセラーで勤務している学校で、式には出ませんでしたが、卒業アルバムにメッセージを寄せる機会がありました。「卒業」という節目に向かって、様々なことに一生懸命に取り組み、本当にたくさんのことを学んできた生徒たち。これから、苦しいこともあるだろうけど、頑張って羽ばたいていって欲しいというエールをどんな言葉で伝えたらいいだろうかと悩みました。「がんばれ」とか「感謝」とか「努力」とか、人生に必要なことだけれども、カウンセラーとしてはピンとこなくて、人の心の弱さと、だからこそ生まれる強さを伝えたいと思ったのです。
そして、「やさしくね やさしくね やさしいことは強いこと」という言葉に決めました。
これは、私が子どもの頃に読んだ「ねむの木学園」の本に書かれていた言葉で、先日亡くなった宮城まり子さんが「ねむの木学園」の子ども達にいつも伝えている言葉なのだそうです。子どもの頃は、何となく優しくていい言葉だなぁとじんわり心に残っていただけでしたが、大人になって、カウンセラーになって、心についていろいろと経験したり考えたりする中で、「本当にその通りだし、本当に優しい言葉だなぁ」と思うようになって、時折思い出しては迷ったときの心の芯に据えてきた言葉です。
生徒たちへのエールとして書いた言葉だったのに、折しも宮城まり子さんの訃報と重なって、寂しさと温かさの入り交じった切ないような思いにふけりました。
今、コロナウィルス感染で外出など活動が制限されていますが、時にはこんな心の旅も楽しいのではないでしょうか。
今回は芳野の担当でした。次回は中村です。お楽しみに。